WCA大会規則 2013
バージョン:2013年1月1日
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WCA大会規則・ガイドライン
WCA大会規則は全てのWCA公式大会に適用される規則であり、補足事項はWCAガイドラインに記載されています。 WCA大会規則は完結した文書であり、ガイドラインにはより詳しい説明や解釈などが記載されています。
表現法
大会規則とガイドラインを見やすくするために、「彼」または「彼女」とすべきところにおいて「彼」を使用しています。表現は RFC 2119 に準拠するよう記述されています。
インターネット上での情報
世界キューブ協会のウェブサイト:www.worldcubeassociation.org
WCA大会規則原文:www.worldcubeassociation.org/regulations
WCA大会規則原文PDF版:PDF format
出典
最新のWCA大会規則とガイドラインはGitHub上にて公開されています。
お問い合わせ先
質問・ご指摘等はWCA大会規則委員会へお問い合わせ下さい。 日本語での質問・ご指摘等はJRCA掲示板またはお問い合わせをご利用下さい。
内容
注釈:大会規則の条項の一部が削除された場合に、改めて番号を振り直していないため、条項の間に間がある場合があります
- 第1条: 大会役員
- 第2条: 競技者
- 第3条: パズル
- 第4条: スクランブル
- 第5条: パズルの欠損
- 第7条: 競技環境
- 第8条: 大会
- 第9条: 競技種目
- 第10条: 完成状態
- 第11条: インシデント
- 第12条: 記号法
- 第A条: スピード競技
- 第B条: 目隠し競技
- 第C条: 片手競技
- 第D条: 足競技
- 第E条: 最少手数競技
- 第F条: クロック競技
- 第H条: 複数目隠し競技
- 第Z条: オプション規則
第1条: 大会役員
- 1a) 大会にはWCA代理人と大会運営チーム(一名以上で構成)、および以下の役員を置かなければならない:ジャッジ、スクランブラー、集計員。
- 1b) 大会運営組織は大会前、大会中および大会後における支援の責任を負う。
- 1c) WCA 代理人は大会運営チームの他のメンバーに責任を委任してもよいが、最終的にはそれらの責任の任務遂行について責任を持つ。大会においてWCA代理人は以下の責任を負う。
- 1c1) 大会、大会進行全般、およびインシデントにおける大会規則の遵守に関してWCA理事に報告すること。報告は大会から一週間以内に提出されなければならない。
- 1c3) 大会結果をWCA結果チームに送付すること。
- 1c4) 大会結果の訂正をWCA理事会に送付すること。
- 1c5) 必要があれば大会役員に助言をすること。
- 1c6) 大会開始前および大会中に変更が必要である場合に、全ての種目およびそのラウンド形式を承認すること。
- 1c7) 大会中に競技者を失格させるか否かの決定を下すこと。
- 1c8) スクランブルを用意すること。
- 1c9) 競技時間のスケジュールの変更の決定を下すこと。変更がなされた場合、全競技者に明確に伝えなくてはならない。
- 1c10) 大会で閲覧可能な大会規則のコピーを用意すること。
- 1e) 各競技には必ずジャッジを置かなければならない。
- 1e1) ジャッジは種目の進行における責任を負う。
- 1e1a) 常に全ての大会規則が尊守されているとジャッジが保証できる時に限り、WCA代理人の裁量によりジャッジは複数の競技者を同時にジャッジすることができる。
- 1e2) ジャッジのできる競技者は、大会実行チームの要請でいつでもジャッジとなれるよう準備していなければならない。罰則:大会における失格。
- 1f) 各競技にはスクランブラーを置かなければならない。例外:最少手数競技
- 1f1) スクランブラーはスクランブル手順を用いてパズルを開始状態へと準備する。
- 1f2) スクランブルのできる競技者は、大会実行チームの要請でいつでもスクランブラーとなれるよう準備しておかなければならない。罰則:大会における失格。
- 1g) 各競技には記録入力係を置かなければならない。
- 1g1) 記録入力係は、結果の集計に責任を負う。
- 1g2) 記録用紙上の結果のいかなる訂正もWCA代理人の裁量によって行われなければならない。
- 1h) 種目の同じラウンドの競技者を複数のグループに分割することができる。
- 1h1) 競技者はそのラウンドでの自分の全試技が終了するまでは、同じグループの競技者に対してスクランブルまたはジャッジをしないことが望ましい。競技者はWCA代理人の裁量によって、同じグループの競技者に対してスクランブル/ジャッジをすることができるが、その場合大会運営チームは、スクランブラーとジャッジが彼らのまだ終わってない試技のスクランブルを見ることがないように保証しなければならない。
- 1j) すべての大会役員は大会に参加できる。
- 1k) 大会役員は複数の役割を担うことができる。(例:大会運営チーム、WCA代理人・ジャッジ・記録入力係・スクランブラー)
第2条: 競技者
- 2a) 以下の条件を満たせば、誰でもWCA公式大会に参加することができる。
- 2a1) WCA 大会規則を尊守する。
- 2a2) 大会前に明示された基準を満たしている。
- 2a3) WCA 理事会により出場停止処分を受けていない。
- 2b) 18 歳未満の競技者は、大会に登録し参加するために親/保護者の同意を得なければならない。
- 2c) 競技者は登録のために、大会運営チームの必要とする全ての情報を提供する。(名前、国籍、生年月日、性別、連絡先、参加種目を含む)
- 2c1) 大会運営組織によって定められた完全な登録をしなければ、競技者は大会への参加資格を持たない。
- 2d) 競技者の名前・国籍・性別・大会記録は公開情報とみなされる。他の全ての個人情報は機密情報とみなされ、競技者の同意なしに第三者に公開されてはならない。
- 2e) 競技者は自らが国籍を持つ国を代表しなければならない。WCA代理人は文書(例:パスポート)を用いて国籍を確認することが望ましい。競技者に登録した国を代表する資格がないことが判明した場合、WCA理事会の裁量により、競技者は過去にさかのぼって失格または出場停止になる可能性がある。
- 2e1) 資格のある国はウィキペディア記事「国の一覧」によって定義される(「国連加盟国とオブザーバー国」と「そのほかの国」)。
- 2e2) 国籍がかわった競技者は、年で最初に参加する大会において所属国を変更することができる。
- 2f) 競技者は大会会場の規則に従い、公序良俗に従い行動しなければならない。
- 2g) 競技者は指定された競技エリア内では静寂を保たなければならない。会話は許されるが、許容範囲の静寂さを保ち、競技中の競技者との距離を保たなければならない。
- 2g3) 競技者待機所にいる競技者は、進行中のラウンドのパズルのスクランブル状態についてお互いにコミュニケーションをとってはならない。罰則:WCA代理人の裁量による、競技者の種目における失格。
- 2h) 競技者は大会会場内にいる間は着衣しなければならない。代理人の裁量により、競技者は不適切な衣服によって大会を失格となる可能性がある。
- 2i) 競技中、競技者は電子機器や音響機器(例:携帯電話、MP3プレーヤー、ディクタフォン、追加照明)を使用してはならない。
- 2i1) WCA 代理人の裁量により、競技者は自身に不公平な利益をもたらさない非電子器具を使うことができる。これは以下のものを含む。
- 2j) WCA代理人は特定の種目において競技者を失格させることができる。
- 2j1) 競技者が何らかの理由で失格となると、その種目における試技を続ける資格はなくなる。
- 2j2) 競技者が競技の途中で失格となった場合、その種目における失格以前の記録は有効なまま残る。例外:不正行為や詐欺(参照:2k2a)。
- 2k) WCA代理人は以下の理由で競技者を大会から(すなわち、大会の全種目において)失格させることができる。
- 2k1) 時間内に登録を済ませなかった場合。
- 2k2) 大会中に不正行為や大会役員を欺むく行為をした疑いがもたれる場合。
- 2k2a) WCA代理人は不正とみなされた結果を失格とすることができる。
- 2k3) 会場内において違法行為・暴力行為・下品な振る舞い・故意に会場設備や他者所有物に対する破損行為をした場合。
- 2k4) 他者を妨害したり、注意を散らせたりした場合。
- 2k5) 大会規則を遵守しない場合。
- 2l) 競技者は違反行為の性質や重大さに応じて、即座に、または警告の後に失格となる可能性がある。
- 2l1) 失格となった競技者には、大会参加費用の払い戻しをうける資格はない。
- 2n) 競技者は WCA 代理人に口頭で抗議してもよい。
- 2n1) 抗議は大会中、インシデントが起こってから 30 分以内、かつその種目の次のラウンドの開始前にのみ許可される。
- 2n2) WCA代理人は、その種目の次のラウンドの開始までに抗議を解決しなければならない。
- 2n3) 競技者はWCA代理人の最終決定を受け入れなければならない。罰則:大会の失格。
- 2s) 競技者に障害があり、1つ以上のWCA大会規則を尊守することが難しい場合、WCA代理人に特別措置を要求することができる。そのような措置を要求する競技者は、少なくとも大会の2週間前までに大会運営チームとWCA代理人に連絡を取ることが望ましい。
- 2t) 各競技者は大会前にWCA大会規則をよく理解しておかなければならない。
第3条: パズル
- 3a) 競技者は大会に自分自身でパズルを用意して参加しなければならない。
- 3a1) 競技者は、自分が参加するラウンドに呼ばれる時には会場にいて、競技をできる準備をしていなければならない。罰則:種目の失格。
- 3a2) パズルは、通常のスクランブルができるように、正常に動く状態でなければならない。
- 3a3) 多面体パズルは、完成された状態で一つの面につき固有の一色を持つ配色でなければならない。各々の異なったパズルは、動きや状態、解法がオリジナルのパズルと同一でなければならない。
- 3d) パズルはステッカー、タイル、塗装、印刷などで色分けされていなければならない
- 3d1) 例外:視覚障害が医学的に証明される競技者は、異なる面に異なる手触りを持つパズルを用いることができる。手触りやパターンは一つの面につき同一でなければならない。スクランブルとジャッジをしやすくするために、各面は異なる色であることが望ましい。
- 3d2) パズルの色は、一つの面につき一色で、一様でなければならない。パズルの各色は他の色と明らかに異なる色でなければならない。
- 3d3) ステッカーやタイル、手触り、塗りは1.5mmの厚さを超えてはならない。立方体ではないパズルは一般的に入手可能な厚さを超えてはならない。
- 3h) パズルの根本的な原理を変えるような改造はしてはならない。同じパズルの改造されていないものと比べ、追加の情報(例:パーツの特定)を競技者にもたらすようなものではない限り、改造されたパズルの使用は許される。
- 3h1) いわゆるピローパズルに代表されるような、丸みをおびたパズルは使用することができない。例外:丸みをおびた7x7x7キューブは使用できる。
- 3h2) いわゆるステッカーレスキューブに代表されるような、面の色が内部に見えるキューブは使用することができない。
- 3h3) パズルの改造によって競技者の成績が悪くなったとしても、それは追加試技を得る理由にはならない。
- 3j) パズルはきれいで、あるパーツを他の似たパーツと区別するような印やパーツの持ち上げ、傷、その他の差異があってはならない。
- 3j1) パズルの過度でない擦り切れはWCA代理人の裁量により許容される。
- 3k) パズルは大会で使用される前にWCA代理人によって承認されなければならない。
- 3l) キューブパズルにはロゴがあってもよいが、一つ以下でなければならない。ルービックキューブやそれより大きいキューブパズルのロゴの位置は、センターパーツの一つでなければならない。
- 3l1) 色のない刻印(一面につき最大一つ)はロゴとは見なされない。
- 3m) WCA 大会規則に適合する限り、全てのブランドのパズルやパズルのパーツを使うことができる。
第4条: スクランブル
- 4a) スクランブラーはパズルにスクランブル手順を適用する。
- 4b)パズルはコンピュータによりランダムに生成されたスクランブル手順を用いてスクランブルされなければならない。
- 4b1) 生成されたスクランブル手順は大会の前に調べられてはならない。いかなる場合も、WCA代理人によって除外されたり、選ばれたりしてはならない。
- 4b2) あるラウンドのスクランブル手順は、そのラウンドが終わるまで WCA代理人とその種目のスクランブラーのみにしか見られないようにしなければならない。例外:最少手数競技では、そのラウンドの間、競技者はスクランブル手順を受け取る(参照:第E条)。
- 4d) スクランブルをする向きは以下の通り。
- 4d1) キューブパズルとメガミンクスは白面(不可能な場合は、最も明るい面)を上面に、緑面(不可能な場合は、隣接した面の中で最も暗い面)を正面にしてスクランブルする。
- 4d2) ピラミンクスは、黄面(不可能な場合は、最も明るい面)を底面に、緑面(不可能な場合は、隣接した面の中で最も暗い面)を正面にしてスクランブルする。
- 4d3) スクエア1は(考えられる2つの向きのうち)より暗い色の面を正面にしてスクランブルする。
- 4f) 大会のスクランブル手順は、WCA公式スクランブルプログラムの現行公式バージョンを用いて生成されなければならない(WCA公式ウェブサイトから入手可能)。
- 4g) スクランブルの後では、スクランブラーはパズルを正しくスクランブルしたか確認しなくてはならない。もしパズルの状態が間違っている場合、競技者はそれを正さなくてはならない(例:パズルを解き、スクランブル手順をもう一度適用する)。
- 4g1) 例外:6x6x6 キューブと7x7x7キューブは、WCA代理人の裁量によって、スクランブルを正す必要はない。
第5条: パズルの欠損
- 5a) パズルの欠損の例:ポップ(パーツの脱落)、同じ場所で回転してしまったパーツ、ねじ/ふた/ステッカーの脱落。
- 5b) 試技中にパズルの欠損が起きた時には、競技者は欠損を修復して試技を続けるか、試技を中止するかを選ぶことができる。
- 5b1) 競技者がパズルを修復することを選んだ場合、欠損したパーツのみ修復することができる。道具や他のパズルのパーツはオリジナルのパズルを修復するのに使ってはならない。罰則:試技の失格(DNF)。
- 5b2) パズルの修復をすることにより、競技者がパズルを解く上でいかなる形でも有利になってはならない。罰則:試技の失格(DNF)。
- 5b3) 許されている修復は以下の通りである:
- 5b4) 目隠し競技においては、パズルの欠損は試技中に修復されなければならない。全ての修復は目隠しをした状態で行われなければならない。罰則:試技の失格(DNF)。
- 5b5) 試技の終わりにパズルの一部のパーツが物理的に離れている、あるいは完全に配置されていない場合、以下の規則が適用される:
- 5c) パズルの欠損が起こっても、競技者に追加試技は与えられない。
第7条: 競技環境
- 7b) 観客は、競技卓が使われている時には、少なくとも競技卓から1.5メートル離れていなければならない。
- 7c) 競技エリアの照明には特別気をつけなければならない。競技者が容易にパズルの色の区別がつくように、照明は明るすぎず、暗すぎないべきである。
- 7e) 競技エリアは禁煙でなければならない。
- 7f) 競技卓:
- 7f1) 競技卓の定義:
- 7f2) タイマーはマットに取りつけられ、競技面に直接置かれる。タイマーはマットの横、競技者に最も近い側に配置される。
- 7f2a) 例外:足競技においては、スタックマットは床に直接置かれなければならない。タイマーはマットの競技者から最も遠い側に置いてもよい。
- 7h) 競技エリアには競技者待機場所がなければならない。
- 7h1) 大会運営チームは、競技に呼ばれた競技者がそのラウンドの全ての試技が終わるまで競技者待機場所に留まることを要請することができる。
第8条: 大会
- 8a) WCA公式の大会は以下を満たさなければならない:
- 8a1) WCA理事会により承認されること。
- 8a2) WCA 大会規則に従うこと。
- 8a3) 指名された WCA 代理人が出席すること。
- 8a4) 大会開始の少なくとも2週間前からWCAのウェブサイトで告知されること。
- 8a6) 一般に公開すること。
- 8a7) タイムの計測のために、正規のスピードスタックスのスタックマットタイマー(第二版あるいはプロ)を使うこと。
- 8a8) 参加を希望する者は誰でも参加できること。参加制限はWCA理事会により承認され、大会が告知される時に明言されなければならない。
- 8f) 大会中にもしWCA大会規則が正しく遵守されなかった場合、WCA理事会は影響を受けた試技を無効とすることができる。
第9条: 競技種目
- 9a) WCAは以下のものでの競技を認める。
- 9a1) ルービックパズルとして認知されているパズル。
- 9a2) 面を回転させて操作する、一般に“twisty puzzles”として認知されているパズル。
- 9b) WCA公式パズル及び競技方式:
- 9b1) ルービックキューブ、2x2x2キューブ、4x4x4キューブ、5x5x5キューブ、クロック、メガミンクス、ピラミンクス、スクエア−1、ルービックキューブ:片手。
- 9b1a) これらの種目の競技方式は、“ベストオブ X”(X=1,2,3)、“アベレージオブ5”である。
- 9b2) ルービックキューブ:足、6x6x6キューブ、7x7x7キューブ
- 9b2a) これらの種目の競技方式は、“ベストオブ X”(X=1,2,3)または“ミーンオブ3”である。
- 9b3) ルービックキューブ:最少手数、ルービックキューブ:目隠し、4x4x4キューブ:目隠し、5x5x5キューブ:目隠し、ルービックキューブ:複数目隠し。
- 9b3a) これらの種目の競技方式は“ベストオブX”(X=1,2,3)である。
- 9f) 各ラウンドの結果は以下のように計測・記録される:
- 9f1) 10分未満の全記録は計測後、1000分の1秒の位を切り捨てる。10分未満の全アベレージは計測後、1000分の1秒の位で四捨五入する。
- 9f2) 10分を超える全記録、アベレージは、計測後、10分の1秒単位で四捨五入する(例 x.4秒は x秒、x.5秒は x+1秒)。
- 9f4) 失格または未完成の場合、競技の結果はDNF(Did Not Finish 未完成)と記録される。
- 9f5) 競技者が棄権する場合、競技の結果はDNS(Did Not Start 棄権)と記録される。
- 9f6) “ベストオブX”ラウンドでは、各競技者はX回の試技が認められる。それらの試技のうちの最高記録が、そのラウンドでの競技者の順位付けの参考にされる。
- 9f7) “ベストオブX”ラウンドでは、DNF・DNSは、最低記録とする。
- 9f8) “アベレージオブ5”ラウンドでは、競技者には5回の試技が認められる。それら5回の試技のうち、最高・最低記録を除いた残り3回の平均が、そのラウンドでの競技者の順位付けの参考にされる。
- 9f9) “アベレージオブ5”ラウンドでは、一回のDNFまたはDNSは、そのラウンドでの競技者の最低記録として取り扱う。競技者が二回以上DNFまたはDNSを記録した場合は、そのラウンドの平均記録はDNFとする。
- 9f10) “ミーンオブ3”ラウンドでは、競技者には3回の試技が認められる。3回の試技の平均が、そのラウンドでの競技者の順位付けの参考にされる。
- 9f11) “ミーンオブ3”ラウンドでは、競技者が一度でも DNF・DNSを記録した場合、そのラウンドの平均記録はDNFとする。
- 9f12) “ベストオブX”ラウンドでは、各競技者の最高記録に基づいて順位を付ける。結果を比較するために以下の基準を適用する。
- 9f13) “ミーンオブ3”と“アベレージオブ5”ラウンドでは、競技者の平均記録の順序に基づいて順位を付けるが、より速いタイムが“優位”となる。
- 9f14) “ミーンオブ3”と“アベレージオブ5”ラウンドでは、二人以上の競技者が同じ平均結果を出した場合、各競技者の最高記録に基づいて順位が付けられるが、より速いタイムが“優位”となる。
- 9f15)各ラウンドで同じ結果を出した競技者は、そのラウンドでは同じ順位となる。
- 9g) 複合ラウンドは二段階の競技で編成されているが、競技者は第一段階で指定された次ラウンド進出条件を満たすと第二段階に進む。
- 9g2) 競技者が複合ラウンドの第二段階に進むかどうかは、第一段階での順位(上位x名)、あるいは記録(最高記録がx未満の全ての競技者)によって決めなければならない。
- 9i) WCA公式大会での記録は、WCA世界ランキングに掲載されなければならない。
- 9i1) WCAは、以下の種類の地域別記録を認める: 国別記録、大陸別記録、世界記録。
- 9i2) ラウンドでの全ての記録は、そのラウンドの最終日に出されたものとみなされる。もし地域別記録が同じ日に何度も更新された場合、最高記録のみがその地域別記録を更新したと認められる。
- 9i3) 種目に関する WCA 大会規則が変更される場合、現存する地域別記録はWCA 新規則においてその種目が削除されるまでは記録として残る。
- 9j) 各種目は、一大会につき一回のみ行われなければならない。
- 9k) 全ての競技者は、理事会に特別に認可された場合を除いて、大会の全ての種目に参加してもよい。
- 9l) 各ラウンドは、同じ種目の次のラウンドが始まる前に終了しなければならない。
- 9m) 各競技は最大4ラウンドまで行うことができる。
- 9m1) 99人以下の競技者による競技は最大3ラウンドまで行うことができる。
- 9m2) 15人以下の競技者による競技は最大2ラウンドまで行うことができる。
- 9m3) 7人以下の競技者による競技は1ラウンドのみ行うことができる。
- 9o) 複合ラウンドや予選はそれぞれ1ラウンドとしてカウントする。
- 9p) ラウンドが複数回行われる場合:
- 9p1) 競技者のうち少なくとも 25%を、同じ種目のラウンド間で脱落させなければならない。
- 9p2) 次のラウンドに進む競技者は、先行されたラウンドにおける次ラウンド進出基準順位または制限時間のどちらかによって決められなければならない。
- 9p3) 出場資格のある競技者が棄権する場合、先行されたラウンドで敗退した者の中で最上位の競技者が代わりに出場してもよい。
- 9r) 予選は、第一ラウンドの前に行われなければならない。
- 9r1) 大会運営チームは、以下のことを含めて大会を告知しなければならない:
- 9r2) 第一ラウンドへの直接参加資格のない競技者は、第一ラウンドに出場するために、予選に出場しなければならない。
- 9r3) 新しく登録された競技者数に合わせて予選を増やしてもよく、予選または第一ラウンドの競技者の定員を増やしてもよい。これらの変更は少なくとも大会の二週間前までになされなければならない。
- 9s) 各種目の各ラウンドには制限時間を設けなければならない(参照:A1a)。
第10条: 完成状態
- 10b) タイマーの停止後パズルが静止した状態のみが検討の対象である。
- 10c) 試技後のパズルの向きはどの方向でも良い。
- 10d) すべてのパーツは正しい場所に完全に付いていなければならない。例外: 参照:5b5。
- 10e) パズルの完成とは、全ての面の色が再構成され、かつ以下に示す決められた限界範囲以内にずれが収まっているときである。
- 10e1) パズルの隣り合った2つの部分(例:隣り合った2つの並行なスライス)が10fに規定されている限界を超えた場合は、完成するのに追加手順1手が必要と見なされる(参照:第12条の"外層ブロックターン法")。
- 10e2) 完成状態まで追加手数を要しない場合、ペナルティは課されない。
- 10e3) 1手を要する場合、+2秒ペナルティが課される。
- 10e4) 2手以上を要する場合、未完成(DNF)とする。
- 10f) 容認できるパズルのずれの限界は以下のように決められている:
- 10f1) 立方体パズル:最大45度。
- 10f2) メガミンクス:最大36度。
- 10f3) ピラミンクス:最大60度。
- 10f4) スクエア 1:最大45度(U面/D面)、最大90度(縦回転)。
- 10h) ここに記述されていないパズルについては、完成状態として一般的に容認される状態をその完成状態とし、ルービックキューブに関する適切な規則を適用する。
第11条: インシデント
- 11a) インシデントとは:
- 11a1) 大会役員または競技者による不適切な競技の進行。
- 11a2) 妨害や混乱、施設の不調(例:停電や警報)。
- 11a3) 備品の故障。
- 11b) インシデントが発生した場合、WCA代理人が公平かつ適切な対処を下す。
- 11d) WCA大会規則が明確でない場合、またはそのインシデントについてWCA大会規則に記載がない場合は、WCA代理人は公平なスポーツマンシップに基づいて判断しなければならない。
- 11e) 試技中にインシデントが発生した場合、WCA代理人は競技者に対しインシデント発生時の試技に代えて追加試技を認める事ができる。競技者は、インシデント発生時の試技が終了する前に、口頭または書面でジャッジとWCA代理人に追加試技の資格があることを申し出なければならない。この申し出は追加試技を保証するものではない。
- 11e1) 競技者に追加試技が認められた場合、追加試技は異なるスクランブルでなければならない。WCA公式スクランブルプログラムの現行公式バージョンを用いてこのスクランブルを生成しなければならない(参照:4f)。
- 11f) インシデントの判断にはWCA代理人の裁量で動画または写真を用いることができる。
第12条: 記号法
- 12a) ルービックキューブと類似パズルの記号法:
- 12a1) 1層回し:
- 12a2) 複数外層スライス回し(最外層スライスと隣り合った内側の複数のスライス。一緒に回す層の数をnとする、2層回しのときnは省略可能)。
- 12a3) 外層ブロックターン法(OBTM)は以下のように定義される:
- 12b) 立方体パズルの持ち替え記号:
- 12b1) 時計回りに90度:[f]またはz、[b]またはz'、[r]またはx、[l]またはx'、[u]またはy、[d]またはy'。
- 12b2) 反時計回りに90度:[f']またはz'、[b']またはz、[r']またはx'、[l']またはx、[u']またはy'、[d']またはy。
- 12b3) 180度:[f2]またはz2、[b2]またはz2、[r2]またはx2、[l2]またはx2、[u2]またはy2、[d2]またはy2。
- 12c) スクエア1の記号法:
- 12c1) 中央層の最小のスライスを前面の左側に固定する。
- 12c2) (x,y)とは:上層を時計回りにx掛ける30度、下層を時計回りにy掛ける30度回転させること。
- 12c3) "/"とは:パズルの右半分を180度回転させること。
- 12d) メガミンクスの記号法(スクランブル専用):
- 12d2) その他の動きはメガミンクスの上面左辺の3ピースを固定した状態で回す。
- 12e) ピラミンクスの記号法:
- 12e1) パズルの向きは、下面が完全に水平であり前面がピラミンクスを持つ者に向かった状態とする。
- 12e2) 時計回りに120度:U(上面2層)、L(左面2層)、R(右面2層)、B(背面2層)、u(上頂点)、l(左頂点)、r(右頂点)、b(背頂点)。
- 12e3) 反時計回りに120度:U'(上面2層)、L'(左面2層)、R'(右面2層)、B'(背面2層)、u'(上頂点)、l'(左頂点)、r'(右頂点)、b'(背頂点)。
- 12g) クロックの記号法:
- 12g1) パズルの向きは、12時が上方向の状態、かつ盤面はどちらが前面でも良い。
- 12g2) ピンを上げる:UR(右上1つ)、DR(右下1つ)、DL(左下1つ)、UL(左上1つ)、U(上2つ)、R(右2つ)、D(下2つ)、L(左2つ)、ALL(4つ全て)。
- 12g3) 上がっているピンに隣接するギアを回し、その後全てのピンを下げる:x+(時計回りにx回転)、x-(反時計回りにx回転)。
- 12g4) 12時が上方向になるように裏返し、すべてのピンを下げる:y2。
第A条: スピード競技
- A1) スピード競技の試技は、以下の規則を守らなければならない。
- A1a) 大会運営チームは試技、ラウンドに制限時間を設けることができる。
- A1a1) 1試技の制限時間は10分を基本とするが、大会運営チームは制限時間をそれ以下、以上と告知することができる。
- A1a2) 制限時間を累積方式とすることもできる。(例:3試技で20分という制限時間)DNFとなった試技の経過時間は、累積方式の制限時間に加算する。
- A1a3) 各ラウンドにおいて、制限時間はラウンド開始前に告知されなければならず、ラウンド開始後の変更は望ましくない。制限時間の変更はWCA代理人の裁量によるものでなければならない。WCA代理人は変更が公平であるよう熟慮しなければならない。
- A1a4) 競技者は制限時間内に各試技を終えなければならない。制限時間に達した場合、ジャッジは直ちに試技を中止させ、DNFとして結果を記録する。例外:複数目隠し競技(参照:H1b1)。
- A1a5) ペナルティが課された最終的な記録が制限時間を下回っている時に限り、試技が制限時間内だと判定される。例外:複数目隠し競技(参照:H1b1)。
- A1b) 制限時間が10分を超える場合、ストップウォッチを用いて記録を計測しなければならない。
- A1c) 競技者はその種目における必要条件を満たしていなければならない(例:そのパズルの解き方を知っている)。DNF記録が予期される競技者はWCA代理人の裁量によって、その種目を失格となる場合がある。
- A2) スクランブル:
- A2a) 各ラウンドの呼び出しが行われた時、競技者は完成状態のパズルをスクランブラーに提出し、競技開始まで競技者待機場所で待機する。
- A2b) スクランブラーは第4条の規則に従い、パズルをスクランブルする。
- A2c) スクランブラーがパズルのスクランブを始めた後、競技者はインスペクション開始までパズルを見てはならない。
- A2c1) スクランブラーは競技者や観客からパズルの一部も見えないよう、スクランブルされたパズルを覆い隠さなければならない。試技の開始までスクランブルされたパズルが覆われた状態にする。
- A2d) ジャッジはパズルをスクランブラーから受け取った際に、簡単に確認作業をおこなう。スクランブル状態に懸念がある場合は、スクランブラーに確認を仰ぐ。
- A2e) ジャッジはスタックマットの上に任意の向きで、パズルが全く見えないようにスクランブルされたパズルを置く。ジャッジがパズルを置く際に、競技者は特定の向きで置くように指示することは認められない。
- A3) インスペクション:
- A3a) 競技者は各試技の前にパズルを観察(インスペクション)することができる。
- A3a1) 競技者にはインスペクションからソルブ開始まで最大15秒の時間が与えられる。
- A3b) 競技者が試技を開始する前に、ジャッジはスタックマットタイマーと場合によってはストップウォッチの表示をリセットする。
- A3c) 競技者はインスペクション中に、パズルを持ち上げることができる。
- A3d) インスペクションの終了時に競技者は任意の向きや場所でスタックマットの上にパズルを置く。
- A4) 試技の開始
- A4b) 競技者は手の平を下にして、スタックマットタイマーのセンサー部に指で触れるように両手を置かなければならない。罰則:+2秒ペナルティ。
- A4b1) インスペクション後とスタートの間に、競技者はパズルに物理的接触をしてはならない。罰則:+2秒ペナルティ。
- A4d) 競技者はスタックマットタイマーが緑色に点灯したことを確認した上で、両手をタイマーから離しスタートする。
- A4e) スタート時の+2秒ペナルティは累積方式とする。
- A5) 試技中:
- A5a) インスペクション中・試技中に競技者はジャッジ以外のだれともコミュニケーションをとってはならない。罰則:試技の失格(DNF)。
- A5b) インスペクション中・試技中に、競技者は誰の助けも得てはならないし、競技面以外の物理的な補助を得てはならない(参照:2i)。罰則:試技の失格(DNF)。
- A6) 試技の終了:
- A6a) 競技者はパズルを離して試技を終えた後にタイマーを止める。
- A6b) 競技者はスタックマットタイマーを正確に止める責任を負う。
- A6c) 競技者はタイマーを止める前に完全にパズルから手を離さなければならない。罰則:+2秒ペナルティ。
- A6d) 競技者は両手を使い、手のひらを下にしてスタックマットタイマーを止めなければならない。罰則:+2秒ペナルティ。
- A6e) ジャッジが完成状態を確認するまで、競技者はパズルに触れたり回転させたりしてはならない。罰則:試技の失格(DNF)。例外:回転させていない場合はジャッジの判断により、+2 秒ペナルティとすることができる。
- A6f) ジャッジが結果を記録するまで、競技者はスタックマットタイマーをリセットしてはならない。罰則:ジャッジの判断により、試技の失格(DNF)
- A6g) ジャッジはパズルの完成状態であるかを決定する。ジャッジは完成を確認する際にパズルを動かしたり、ずれを修正したりしてはならない。例外:クロック競技の場合はパズルを動かしてもよい。
- A6h) 完成状態について協議をする場合、協議が解決するまでパズルを動かしたり、ずれを直したりしてはならない。
- A6i) 試技終了時の+2秒ペナルティは累積方式とする。
- A7) 結果の記録:
- A7a) ジャッジは競技者に記録を伝える。
- A7b) ジャッジは記録用紙に結果を記入する。
- A7b1) 罰則を適用する場合、ジャッジは罰則が適用されていないスタックマットタイマーに表示された元記録とペナルティを記録する。フォーマットは「X + T + Y = F」が望ましく、Xにインスペクションや試技開始時のペナルティの合計を、Tにスタックマットタイマーに表示されたタイムを、Yに試技終了時のペナルティの合計を、Fに最終的な結果を記録する。XやYが0の場合、0は省略し記入しない(例:2 + 17.65 + 2 = 21.65、17.65 + 2 = 19.65)。
- A7c) ジャッジと競技者の双方とも、結果に同意するため記録用紙に名前(またはイニシャル)で署名しなければならない。
- A7c1) 競技者またはジャッジが記録用紙への署名を拒んだ場合、WCA代理人はこの問題を解決しなければならない。
- A7f) そのラウンドの競技者の記録用紙の記入が終わったら、ジャッジは記録記録入力係に記録用紙を渡す。
第B条: 目隠し競技
- B1) 基本的な流れは第A条(スピード競技)に準じる。第A条の対応箇所に取って代わる追加規則は以下の通りである。
- B1a) インスペクションはない。
- B1b) 競技者は自分で目隠しを用意しなければならない。
- B2) 試技の開始:
- B2a) ジャッジはタイマーとストップウォッチをリセットする。
- B2b) 競技者は手のひらを下にして、指でセンサーに触れるように両手を置かなければならない。罰則:+2秒ペナルティ。
- B2c) 競技者は、試技開始までパズルに触れてはならない。罰則:+2秒ペナルティ。
- B2d) 競技者は、タイマーから手を離し、タイマーをスタートさせ、試技を始める。
- B2d1) 競技者はタイマーをスタートさせた後、自らパズルの覆いをはずさなければならない。
- B2e) ストップウォッチを計測に使用する場合、ジャッジは試技が開始されたらすぐにストップウォッチをスタートさせる。
- B3) 記憶段階:
- B3a) 記憶段階の間、競技者はパズルを手に取ることができる。
- B3b) 競技者は物理的なメモを取ってはならない。罰則:試技の失格(DNF)。
- B3c) 競技者は記憶段階の間、パズルのスライスを回転させてはならない。
- B4) 目隠し段階:
- B4a) 競技者は目隠しを着用し、目隠し段階を開始する。
- B4b) 競技者は完全に目隠しを着用するまではパズルのスライスを回転させてはならない。
- B4c) 競技者がソルブを行っている間、ジャッジは競技者の顔とパズルの間を確実に不透明の物体で遮らなければならない。
- B4d) 競技者は目隠し段階の間にパズルの状態を見て確認してはならない。罰則:試技の失格(DNF)。
- B4e) 競技者は最初の一手を始める前であれば、目隠しを取って記憶段階に戻ることができる。
- B5) 試技の終了:
- B5a) スタックマット使用時、競技者はパズルから手を離しタイマーを止めることによって試技を終了する。
- B5b) ストップウォッチ使用の場合、競技者は試技が終了したらパズルを競技面に戻し、ジャッジに口頭で試技終了を知らせる。ジャッジはその時点でストップウォッチを止める。
- B5c) 競技者はパズルを触らないのであれば、タイマーを止める前に目隠しを取ることができる。しかし目隠しを取った後はパズルのスライスを回転させてはならない。罰則:試技の失格(DNF)。
第C条: 片手競技
- C1) 基本的な流れは第A条(スピード競技)に準じる。第A条の対応箇所に取って代わる追加規則は以下の通りである。
- C1b) ソルビング中、競技者は片方の手以外の体の部分でパズルに触れてはならない。罰則:試技の失格(DNF)。
- C1c)ソルブ中に競技者が一旦パズルに手を触れたら、もう片方の手ではパズルに触れてはならない。罰則:試技の失格(DNF)。
第D条: 足競技
- D1) 基本的な流れは第A条(スピード競技)に準じる。第A条の対応箇所に取って代わる追加規則は以下の通りである。
- D1a) 試技中、競技者は椅子に座るか、床面に座るか、または立っていなければならない。
- D1b) 試技中、競技者は両足と床面以外を使用してはならない。罰則:試技の失格(DNF)。
- D1c) 試技中、競技者は両足以外の身体の部分でパズルに触れてはならない。罰則:試技の失格(DNF)。
- D3) 試技の開始:
- D3a) 競技者は両足をタイマーのセンサーの上に置く。
- D3b) 競技者はセンサーから足を離して試技を開始する。
- D4) 試技の終了:
- D4a) 競技者はタイマーのセンサー部に両足を置いてタイマーを止める。
第E条: 最少手数競技
- E2) 最少手数競技の競技手順:
- E2a) ジャッジがスクランブル手順を全競技者に渡す。ジャッジがストップウォッチをスタートさせ「ゴー」と言う。
- E2b) 全競技者は制限時間60分間に最少手数解法を導き出す。
- E2b1) ジャッジは55分経過時に「残り時間5分」を告知することが望ましい。また60分経過時に「止め」と言う。
- E2c) 60分終了時、競技者は名前と、判読できる文字で書いた解法を書いた解答用紙をジャッジに渡さなければならない。外層ブロックターン法(参照:12a)にて定義されている回転記号を使うこと。罰則:試技の失格(DNF)。
- E2d)手数は、外層ブロックターン法(参照:12a)を用いて計算する。
- E2d1) 解法は手数と持ち替えを合わせて80以下でなければならない。
- E2e) 競技者の解法はスクランブルのアルゴリズムと一切関連があってはならない。罰則:試技の失格(DNF)。
- E2e1) WCA代理人は競技者に対し、スクランブルのアルゴリズムに関係のない解法の各手順の意図に関する説明を求めることができる。もし競技者が解法に妥当な説明ができなかった場合、その試技は失格となる。
- E3) 競技者は試技の間、以下の道具を使用することができる。その他のものを使用した場合の罰則:試技の失格(DNF)。
- E3a) 紙とペン(共にジャッジが支給)。
- E3b) 1〜3個のキューブ(競技者が持参)。
- E3b) 色付きステッカー(競技者が持参)。
第F条: クロック競技
- F1) 基本的な流れは第A条(スピード競技)に準じる。第A条の対応箇所にとってかわる追加規則は以下の通りである。
- F2) スクランブル後、ジャッジはパズルをスタックマット上に立てて置く。
- F3) インスペクション後、競技者はパズルをスタックマット上に立てて置く。ソルブ開始前に、スクランブルされた状態のピンの位置を変えることは許されない。罰則:失格(DNF)。
第H条: 複数目隠し競技
- H1) 基本的な流れは第B条(目隠し競技)に準じる。第B条の対応箇所にとってかわる追加規則は以下の通りである。
- H1a) 競技者は競技の開始までにジャッジに何個のパズル(2個以上)に挑戦するか宣言しなければならない。
- H1b) 競技者が6個未満のパズルに挑戦する場合、(挑戦するパズルの個数)×10分の時間が与えられる。それ以上の場合は60分が制限時間となる。
- H1b1) 競技者はいつでも試技を終わらせることができる。制限時間に達した場合、ジャッジは試技を中断させ記録を記入する、この場合制限時間が元記録となる。
- H1d) 試技を行ったパズルに対する+2秒ペナルティーは累積される。
第Z条: オプション規則
大会運営チームは大会運営を容易にするためのオプション規則を追加採用することができる。オプション規則を大会に適用するには WCA理事会の承認を得なければならない。